高校を卒業後、銀行員を目指して専門学校に入学。8ヶ月で学校を辞め、建設現場で解体工事のアルバイトを始める。専門学校で出会った奥さんとの結婚を機に、管工事の仕事に就く。以来、衛生配管の職人として経験を積み、40代で独立。現在も経営者でありながら、現場の第一線で活躍している。

管工事50歳
株式会社田村設備田村 広史
生まれ変わっても、
この仕事がしたいですね。


管工事って、どんな仕事ですか?
建物を人の身体と考えたときに、自分たちは血管をつくる仕事だと考えています。自分は衛生配管と言われる給水管・排水管の施工を行います。図面をみて配管を接着接合したり、吊り上げたりしながら組み立て、最後にトイレなどの器具を付ける。現場で課題を解決し、喜怒哀楽を繰り返しながら施工を終え、1つのバルブを開けるとすべての管に水がドバーって通っていくんです。いやあ、すごい嬉しいですよね。
管工事の魅力はなんですか?
新しいことをし続けているので、日々の配管が楽しいことですね。この道で27年ですが、現場によってやることが全然違うんです。マンションの一室から病院や空港まで……。場所も違ければ、使う管の種類も違います。それと日々「やった感」があることも魅力。なにもない天井に図面をみながら施工して、1日終わると形になっている。「おお、いいじゃん」って思っちゃいますね。


そもそもこの仕事に就くきっかけはなんだったのですか?
解体工事でアルバイトをしていた時に子どもができて結婚したんです。そのことを城口研究所の現場監督に話したら「日雇いみたいな仕事を続けるんじゃなくて、ここの配管屋さんに雇ってもらえばいいじゃん」と勧めてくれて。それでこの仕事を始めました。
そこからここまで熱中してこれたのはどうしてですか?
先輩たちがかっこよくみえたんですよね。「早く一人前になって、なんでもできるようになりたい」って必死で、それが楽しかったですね。実際に技術力が身についていくのも感じます。衛生配管は「キングオブ設備」と言われるほど建物にずっと寄り添いながら高い技術が求められ、いろんなことができるようになっていくんです。
仕事に熱中できるのは
ハーレーと愛犬のおかげ


休日はなにをして過ごされていますか?
朝にツーリングにいって、その後は孫たちや家族と過ごしたり愛犬2匹と散歩したりしています。ツーリングは、2年ほど前にずっと欲しかったハーレーを買ったので同じ業界の人と千葉の館山の方に行くことが多いですね。犬は、いやあ、見つめられていると本当に癒やされますよね(笑)。
犬を飼い始めたきっかけはなんだったんですか?
犬を飼いたいなって思っていた頃、仕事帰りにペットショップに寄ったらひと目惚れしてしまったんです。そこから1週間毎日通って、次の日曜日にまだいたら家族を説得して飼おうって決めて。もう1匹は1ヶ月後に誰にも言わずに買って帰りました。「ひとりじゃかわいそうじゃん」って言って(笑)。


趣味をはじめて、生活は変わりましたか?
気持ちを切り替えられるようになり、仕事で優しくなりましたね(笑)。自分は仕事に熱中し過ぎてしまうので、熱くなった気持ちをオフにして落ち着かせたり、逆に少し落ち込んでいるときは上げたりできます。特にハーレーに乗っていると自分の身体が置いていかれるような感覚になって、それがいいですね。
最後に、人生で一番大事にしていることは?
「日々鍛錬」「日々精進」です。昔から遊びも仕事も何事にも全力で、寝ることにも100%。社員たちにも「日々鍛錬」と言うと、「日々精進」って返ってきます(笑)。