一壁入魂!左官の
“表面”だけじゃない世界

Q左官ってどんなお仕事なんですか?

基本的には多くの方がイメージする通り「コテを持って壁や床のコンクリを塗る」仕事です。ただ、表面をならすだけではなく、下地の補修や場合によっては躯体を作ることもあり、想像以上に幅広い技術が要ります。経験を積むといろんな道具を使いこなせるようになってきますよ。

Qお母様からの紹介で左官になったとか。

はい、親方が母の飲み友達だったんです。本当は水道配管工としてより高い技術を身につけられる職場に転職しようとしていたのですが、母に「この人に会ってみない?」と紹介されて。最初は、めちゃくちゃ顔が濃いしメガネに色もついてるしで(笑)かなり緊張しながら会ったんですけど、すごくいい人で、仕事もどんどん面白くなって今に至ります。

Q4年目で職長って、かなり早いですよね。職長として気を付けていることはありますか?

早いかどうかはわからないのですが、親方が一年目からコテを握らせてくれたので、最初から実践的な仕事ができたのは大きかったと思います。職長になった今気を付けているのもまさに新人の育成で、「教えすぎない」こと。最初から全部説明してしまわずに、自分で考えさせて、やらせてみる。その方が左官という仕事の面白さに早く気づけるんじゃないかなと思います。

飲み会は第二の現場?!

Q人生で一番大事にしていることは何ですか?

家族ができれば家族って答えるんでしょうけれど、今は仕事と、仕事の人たちとの飲み会かもしれないです。特に、現場で絡みのある他職の職長と飲むのが好きなんです。同じ現場を他の職長がどう見ているのかとか、40代の職長は何を考えているのかとか、聞いていると面白いしすごく勉強になります。

Qお母様と同じで、飲みの場が好きなんですね(笑)。

そういえばそうですね(笑)。人と喋るのも、話を聞くのも好きなんです。飲み会を通じていろんな人と話がしやすくなっておくと、たとえば現場監督に対して仕事上のお願いもしやすくなりますし、職人が怪我をしそうなことをしていたらためらわずに注意できますし、いいことは多いなと感じています。

Qこれから挑戦したいことはありますか?

今は自分が塗った壁の上にクロスやタイルが貼られたり、ペンキが塗られることが大半ですが、まれに壁や土間が剥きだしになるデザインを任せてもらえるときがあります。その仕様の時はやはり、自分の塗った面を多くの人に直接見てもらえるのでやりがいがあります。そういった仕事にどんどん挑戦していきたいので、目下、研修にも通いながら技術を磨いています!