メンバーにはひたすら
自分から絡みにいきます

Q鳶工になった理由を教えてください。

単純に、給料が良かったからです。「高校を出たら一人で暮らせ」と親に家を追い出されていたので、給料は死活問題でした。鳶は正直、最初は材料運びばっかりでつまらなかったのですが、組み立てをさせてもらえるようになってから格段に面白くなり、ハマりました。

Q鳶工の魅力って何だと思いますか?

仕事の種類が多いから、ちっとも飽きないことですね。20年くらいやっていますけど、まだまだ覚えることがあります。あと、鳶って現場のリーダーなんです。すべての職種に関わりながら、それぞれの人が働きやすいように足場を組み、周りに指示を出します。鳶がいないと現場が締まらないという責任感も仕事の魅力だと思います。

Q仕事の中で、心がけていることはありますか?

この仕事をこの人数でやるならどのくらいの時間がかかるか、人員が適材適所になっているか。こうしたことを常に考え、見極めながら工事を進めることです。メンバーのことをよく知らないとできないので、普段から絡んでひたすら会話をするようにしています。

三児のパパは、
週末も寝られません!

Q今の奥様と一緒に、青森から東京に来たそうですが。

そうなんです。当時彼女だった妻が、東京に働きに行くと言っていたのでついてきて、こっちで結婚しました。青森と東京では同じ鳶でも仕事の勝手が違ったのは誤算でしたが、まだ半人前だったこともあって、つらいとは思わずとにかく慣れるまで頑張りました。

Q週末は家族とどんなところに行っていますか?

普通に公園にも行きますし、リサイクルショップを家族でぶらぶらするような気楽なお出かけも多いです。遠出するときは前日に洗濯を済ませ、朝から気合いを入れて出かけます。最近でいえば、長男が彫刻で賞をとって作品が展示されたのを家族みんなで見に行きました。運動会なんかもそうですが、子どもがらみのイベントはほとんど行っていますね。正月に凧揚げとコマ回しをしたのもめちゃくちゃ面白かったです!

Q家族ができて、仕事への向き合い方って変わりましたか?

特に変わらないと思っていましたが、妻に言わせると、最近は「平日は仕事モード、日曜は家族モード」の切り替えがかなりはっきり見えるんだそうです。昔はそんなこともなかったんですが、だんだん仕事の責任が重くなってきて、真剣にならざるをえないからなんでしょうね。でも家族がいるおかげで日曜に息抜きができているということでもあるので、そこはとても助かっています。

Qせっかくの機会なので、奥様に一言お願いします。

折々に伝えてはいますが、本当に感謝しています。妻のサポートがないと仕事が成り立ちません。この間の誕生日には、置き手紙でそんな気持ちを伝えました。妻が言うには、夫が仕事を頑張っている姿を見ると「身近にこんなに頑張っている人がいる。じゃあ自分も負けていられない。子育て頑張ろう」と思えるのだそうです。いつか子どもたちが自立して巣立っていっても、ずっとこうして感謝し合える夫婦関係でいたいと思います。子どもたちが全員いなくなったら、寂しすぎて犬とか猫とか飼っちゃうんでしょうけどね(笑)。